アレルギー疾患に対する生物学的製剤
Ⅰ.皮膚科 1.慢性難治性蕁麻疹に対する生物学的製剤の効果とその位置づけ
森桶 聡
1
,
秀 道広
2
Satoshi Morioke
1
,
Michihiro Hide
2
1広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学
2広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学教授
pp.1582-1586
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201712012
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特に誘因なく瘙痒を伴う膨疹が出没する特発性の蕁麻疹のうち1カ月以上にわたり病勢が持続するものを慢性蕁麻疹という。本症では,ヒスタミンH1受容体拮抗薬を中心とした内服療法が治療の中心となるが,それに抵抗する難治例もしばしば経験される。蕁麻疹診療の分野でも生物学的製剤の応用が始まっており,最近になり抗IgEモノクローナル抗体製剤であるオマリズマブが保険適用となった。慢性蕁麻疹の特徴と生物学的製剤による治療効果とその限界,注意点を十分に理解して慎重に適応を判断することが求められる。