アレルギー疾患に対する生物学的製剤
序~アレルギー疾患治療における生物学的製剤の展望~
中川秀己
1
Hidemi Nakagawa
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室主任教授
pp.1579-1581
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201712009
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
アレルギー疾患は一般的に生命予後良好とされているが,患者の生活の質(QOL)が著しく障害されている。QOLに及ぼす因子には,症状による日常活動制限,社会活動性低下,外観,喘息,痒み,痛みなどの直接的因子だけでなく,内服,吸引,外用等の煩わしさに加え,不安等の心理的因子も関与しているため,患者QOLの観点からより積極的な治療が検討されることも多い。生物学的製剤は病態形成に重要な役割を果たすサイトカイン等に特異的に作用し,既存治療抵抗性症例に対しての治療に大きな役割を果たしていくものと考えられる。