アレルギー疾患に対する生物学的製剤
Ⅰ.皮膚科 2.アトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤の効果とその位置づけ
佐伯秀久
1
Hidehisa Saeki
1
1日本医科大学大学院医学研究科皮膚粘膜病態学教授
pp.1588-1596
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201712018
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アトピー性皮膚炎の難治症例に対して,IL-4/IL-13を抑える抗体であるdupilumabやIL-31を抑える抗体であるnemolizumabなどの生物学的製剤による治療の有効性が報告された。Dupilumabとnemolizumabは外用治療でコントロール不良な中等症~重症の成人アトピー性皮膚炎患者に対して,前者は主に皮膚症状に対して,後者は主に瘙痒に対して高い効果を有し,安全性も比較的高く,アトピー性皮膚炎に対する新しい治療として今後保険適用が期待される。Dupilumabは2017年3月にアメリカで保険が適用された。日本でも2018年には保険適用が期待されている。