Japanese
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特集 生物学的製剤治療の最前線
序 -生物学的製剤の現状と課題-
Current trends and issues of biologicals
山本一彦
1
Yamamoto Kazuhiko
1
1東京大学医学部アレルギーリウマチ内科 教授
キーワード:
生物学的製剤
,
分子標的
,
関節リウマチ
Keyword:
生物学的製剤
,
分子標的
,
関節リウマチ
pp.22-23
発行日 2014年10月25日
Published Date 2014/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201411022
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- Abstract 文献概要
遺伝子工学などの手法を用いた抗体医薬を含む分子標的薬の登場とともに,「生物学的製剤」の概念が大きく変わりつつある。これらの生物学的製剤は,さらに,抗体工学,タンパク質工学技術の発達によりその機能を改変することで,新たな効果を期待することも可能となりつつある。たとえば,関節リウマチでは腫瘍壊死因子を標的とした生物学的製剤を中心に,インターロイキン(IL)-6やT細胞の活性化分子を標的にした生物学的製剤が用いられるようになり,炎症を抑えるだけでなく,関節破壊を抑制できることが判明し,疾患を寛解状態に持ち込める確率が向上しつつある。しかし,これらの標的分子は生体維持のために重要な働きを担っていることが多く,したがって,これらを阻害することで感染症をはじめとしたいくつかの副作用が出現する可能性があり,臨床的に注意が必要である。