アレルギー疾患に対する生物学的製剤
Ⅰ.皮膚科 3.乾癬-乾癬性関節炎に対する生物学的製剤の効果とその位置づけ
梅澤慶紀
1
,
中川秀己
2
Yoshinori Umezawa
1
,
Hidemi Nakagawa
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座教授
2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座主任教授
pp.1598-1609
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201712028
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乾癬性関節炎(PsA)は乾癬患者の約10%に生じ,進行性で骨破壊を生じれば関節の変形は不可逆的になる。多くは皮膚症状が先行するため皮膚科医が定期的に関節症状について注意を払うことが早期発見のためには重要である。以前はメトトレキサート,サラゾスルファピリジンなどの抗リウマチ薬が主に用いられていたが,難治な場合も少なくなかった。関節炎の病変部ではTNFαやIL-17などのサイトカインが重要な役割を果たしており,これらの標的とした生物学的製剤の有効性が臨床試験などで実証され,現在ではPsA治療で中心的な役割を果たしている。