特集 Precision Medicineのための難治性喘息の病態と治療
Ⅰ.成人難治性喘息の定義と疫学
多賀谷悦子
1
,
玉置淳
2
Etsuko Tagaya
1
,
Jun Tamaoki
2
1東京女子医科大学内科学第一講座准教授
2東京女子医科大学内科学第一講座教授
pp.850-856
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201707014
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
喘息治療の中心は,吸入ステロイド(ICS)を第一選択とする抗炎症療法となり,ガイドラインの普及に伴い,喘息コントロールは改善し,死亡者数は著明に減少した。一方で,通常の抗喘息薬では治療に難渋する,いわゆる難治性喘息が存在し,今まで様々な臨床研究が行われてきたが,定義は一致していないため評価が困難であった。2014年に欧州呼吸器学会(ERS)/米国胸部疾患学会(ATS)から,難治性喘息のガイドラインが発表され,定義が明確になり,今後,難治性喘息の疫学調査,病態の解明に寄与することが期待される。