特集 気道の炎症をめぐって
序 ~喘息におけるサイトカインネットワーク up date~
玉置淳
1
Jun Tamaoki
1
1東京女子医科大学内科学第一講座主任教授
pp.431-434
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201704009
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喘息は慢性のアレルギー性炎症であり,病態の成立・進展には数多くのサイトカインによる複雑なネットワークが重要な役割を果たしている。その中心となるのがTh2細胞より産生されるIL-4,IL-5,IL-13などのTh2サイトカインであり,いわゆる好酸球性喘息を引き起こす。しかし,このTh2反応はTh2細胞がなくとも生じ,そこでは自然免疫系におけるILC2が注目されている。一方,重症喘息やステロイド抵抗性喘息では,上記の機序に加えてTh17細胞経路を介する好中球性気道炎症の関与が想定されている。