特集 アレルギー疾患とバリア障害
Ⅱ.バリア破壊とサイトカイン・抗菌ペプチド
今井康友
1
Yasutomo Imai
1
1兵庫医科大学皮膚科学教室講師
pp.724-729
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201706022
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尋常性魚鱗癬はフィラグリン遺伝子の機能喪失変異が原因であるが,Th2サイトカインやIL-33といった炎症性サイトカインの過剰発現がフィラグリンを低下させるため,アトピー性皮膚炎でもフィラグリンの低下が観察される。一方,トランスグルタミナーゼ欠損による魚鱗癬では,バリア機能が破壊されることにより抗菌ペプチドが代償的に上昇し,低下したバリア機能を補うというホメオスタシス維持機構が働いている。本稿では皮膚バリア機能と,サイトカインや抗菌ペプチドといった免疫関連タンパクとの関わりについて平易な表現で概説する。