特集 アレルギー疾患とバリア障害
Ⅲ.小児アレルギーと経皮感作
今井孝成
1
Takanori Imai
1
1昭和大学医学部小児科学講座講師
pp.730-736
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201706028
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2重抗原曝露仮説の登場によって,食物抗原の感作経路は経皮が中心であり,腸管免疫はむしろ免疫寛容を誘導する働きがあると考えられるようになってきた。実際にたくさんのエビデンスが,抗原の経皮感作およびアレルギー疾患の発症を支持している。その一因には個体側の要素として皮膚バリア障害(FLG遺伝子変異やTEWLの増加),環境側の要素として生活環境中の抗原量が示唆されている。しかし皮膚バリア障害のケアが感作を予防するエビデンスはいまだ乏しい現状もあり,課題も残されている。