特集 IgEをめぐる諸問題 アップデート
Ⅴ.IgEとアレルゲンコンポーネント
福冨友馬
1
Yuma Fukutomi
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター診断・治療薬開発研究室室長
pp.1652-1660
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201612046
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アレルゲンに対するIgE機序の証明には,伝統的には粗抽出抗原を利用してきた。しかし,このようなアレルゲン原材料の粗抽出抗原は,量的にも質的にも多様なアレルゲンタンパクの混合物であるため,正確な病態把握ができないことがある。Molecular-based allergy diagnostics(MA-D),もしくは,Component-resolved diagnostics(CRD)とは,粗抽出抗原ではなく,精製もしくはリコンビナントの単一のアレルゲンタンパク(コンポーネント)に対するIgE抗体価測定を行う,アレルギー診断手法である。近年このような技術の応用により,より特異的で正確なアレルギーの診断が可能になってきた。