特集 IgEをめぐる諸問題 アップデート
Ⅵ.IgEと食物アレルギーについて
長尾みづほ
1
Mizuho Nagao
1
1国立病院機構三重病院臨床研究部アレルギー疾患治療開発研究室室長
pp.1662-1669
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201612056
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即時型アレルギー症状を呈する食物アレルギーの多くにIgE依存性反応が関与する。感作=診断とはならないが,多くの研究によって,特異的IgE抗体を測定,プロバビリティーカーブなどを利用すれば,症状誘発の可能性をある程度予測することが可能となった。アレルゲンコンポーネントに対する特異的IgE抗体価を測定することでさらに診断性能が向上する。必要最小限の除去といった管理法の進歩はメカニズムの解明によって支えられており,免疫療法など将来の治療の展望もみえてきた。