診断のポイント
IgEとアレルギー
富岡 玖夫
1
1千大・第2内科
pp.467-470
発行日 1972年4月10日
Published Date 1972/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204054
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ヒトの気管支喘息や花粉症などのアレルギー性疾患の患者血清中に,レアギン(reagin)と呼ばれる抗体が存在していることは,Prausnitz-Küstnerの有名な実験(1921年)以来アレルギー学の分野で注目をあつめてきた.しかしその免疫化学的性質の解明は,1966年石坂らによって新しい免疫グロブリンE(IgE)がレアギンの担い手であることが証明されるまで,40余年の歳月を必要とした.Johanssonら(1967年),小川ら(1968年)によるIgE骨髄腫の発見は,IgEの免疫化学的解析,IgEの定量,IgEの生物学的活性の解明に大いに役立っている.今日臨床において,アレルギー疾患患者血清や分泌液中のIgEの定量がさかんに行なわれ,IgE値と疾患の診断・治療との関連性が検討されつつある.
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