絵で見る免疫学 基礎編・22
IgE抗体とアレルギー
高木 淳
1
,
玉井 一
2
,
隈 寛二
3
1ダイナボット(株)器機診断薬事業部
2栄光病院
3隈病院
pp.1264-1265
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906022
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免疫グロブリンは個体防衛において大切な働きをする.しかし本来ならば無害の物質(抗原,アレルゲン)である花粉や食物などに応答して産生されるIgEは,再度同じ抗原に暴露された時にアレルギーとして応答し,多くの人々を悩ませている.細菌の侵入に際し初期防衛に当たるのはマクロファージや好中球である.しかし,さらに大きい寄生虫に対しては好酸球がこれに当たる.
すなわち,寄生虫の感作を受けてIgE抗体を産生した個体が再びアレルゲンに暴露されると,好酸球のFcε(IgEのFcと結合する)受容体を介してIgEは寄生虫体に結合して,分解酵素(リソソーム)を寄生虫に放出してこれを殺す(図1).IgEの本来の役割は,食細胞が貧食できない大きな寄生虫などに対抗する手段であるとの仮説がある.
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