特集 IgEをめぐる諸問題 アップデート
Ⅶ.IgEと疾患(アレルギー疾患と自己免疫疾患)について
岡山吉道
1
Yoshimichi Okayama
1
1日本大学医学部免疫・アレルギー学プロジェクトチーム医学教育企画推進室准教授
pp.1670-1675
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201612064
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IgEはアレルギー性鼻炎,気管支喘息,アトピー性皮膚炎,食物アレルギーや気管支肺アスペルギルス症などのアレルギー疾患や寄生虫疾患のみならず,高IgE症候群,immunodysregulation,polyendocrinopathy,enteropathy,X-linked(IPEX)症候群やWiskott-Aldrich症候群などの原発性免疫不全症,IgE骨髄腫やホジキンリンパ腫などの腫瘍性疾患で高値を示す。IgE骨髄腫はIgE産生形質細胞の腫瘍性増殖による。ホジキンリンパ腫においては高IgE血症となる機序は不明だが,その他の疾患においてはTh2反応が増強している。制御性T細胞の機能不全は免疫不全をきたすとともにTh2反応を増強させアトピー様の皮疹を出現させることは,興味深く,IgEとアレルギーの病態を解明する糸口となるだろう。