今月の主題 臨床に活かす免疫学
疾患理解のために—これだけはおぼえておきたい免疫応答メカニズム
IgEとアレルギー反応
羅 智靖
1
1日本大学医学部先進医学総合研究センター分子細胞免疫・アレルギー学
pp.967-969
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908166
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ポイント
I型アレルギーはlgEによって惹起される.
IgEは高親和性IgEレセプター(FcεRl)を介して,マスト細胞,好塩基球の細胞膜に結合し,抗原によって架橋されるとこれらの細胞が活性化される.
活性化されたマスト細胞は,ヒスタミン,ロイコトリエン,プロスタグランジンなどの化学伝達物質を放出し,即時相の反応を惹起する.
1型アレルギー反応には,即時相と遅発相の二相性反応があり,マスト細胞の産生するサイトカインが重要な役割を果たす.
マスト細胞はB細胞のIgE産生を増強し,IgEはまたFcεRIの発現を増強するなど,アレルギーの増強サイクルが局所に形成される.
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