連載 新連載 アレルギーにかかわる免疫学の知識(1)
IgEへのクラススイッチ機構
矢田純一
1
Junichi Yata
1
1東京医科歯科大学名誉教授
pp.572-577
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201604098
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抗体はその属する免疫グロブリンクラスによって異なった機能を発揮する。それは免疫グロブリンH鎖の定常部の相違による。IgEはマスト細胞や好塩基球の表面のFcεレセプターⅠにその部で強く結合し,抗原と反応したときそれらの細胞から化学伝達物質の放出をもたらすところからアレルギーの発症に強くかかわっている。B細胞は抗体をさまざまのクラスのものに作りかえるが,それはH鎖遺伝子の再編成によるクラススイッチによる。どのような条件がIgEへのスイッチを導くのかはアレルギーの発症を理解するのに重要である。