Senior Course 血清
IgE
稲井 真弥
1
1大阪府立成人病センター免疫血清検査科
pp.669
発行日 1972年6月15日
Published Date 1972/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907662
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1.レアギンとIgE
枯草熱,気管支喘息,食餌性アレルギーなどは迅速型の過敏症に属するが,これらの過敏症はアナフィラキシーやアルチュス現象などとは異なり,血中抗体は沈降反応などでは証明できず,Prausmitz-Küstner反応(P-K反応)によって証明される.P-K反応はある抗原に対し過敏症をもっている患者の血清を正常人の皮膚に注射し,数時間後同じ場所にその抗原を注射すると,その部に紅斑や腫脹を生じる反応である.このような過敏症をreagenic hypersensitivity,この過敏症にあずかる抗体をreagin (レアギン)またはreagenic antibodyと呼ぶ.
reagenic hypersensitivityをもつヒトの血清から電気泳動法,イオン交換クロマトグラフィーなどでレアギンを分離していくと,レアギンの活性はIgAを含む画分に認められた.したがってレアギンはIgAに属する抗体であろうと考えられていた.
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