特集 小児アレルギー疾患の新知見
Ⅳ.食物アレルギー 1.食物アレルギーを予防するための早期摂取の是非
夏目統
1
,
成田雅美
1
Osamu Natsume
1
,
Masami Narita
1
1国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科
pp.534-541
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201604060
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アレルギー疾患の発症予防のために,以前は妊娠中・授乳中の母親やハイリスク乳児の食物除去や離乳食開始遅延が推奨されていた。しかし最近ではこのような食物除去はアレルギー疾患発症予防効果がないどころかリスクを高める可能性さえ指摘されている。むしろ一部の食物については乳児期早期の摂取開始により食物アレルギーの発症が減少することが示されるようになり,ガイドラインも目覚ましく変化している。今後は対象患者の選択,早期摂取をすすめる食物の選択と摂取方法,安全性,長期予後などについて,さらなる検討が必要である。