特集 アトピー性皮膚炎の病態に基づいた新たなアプローチ
Ⅶ.経皮食物感作と食事指導
相原道子
1
Michiko Aihara
1
1横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学教授
pp.218-225
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201602056
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小児のアトピー性皮膚炎(AD)患者では食物アレルギーの合併がしばしばみられる。食物のアレルギーの発症機序については,近年経皮感作と経口免疫寛容の関係が着目されている。経皮感作の成立には皮膚バリア障害によるアレルゲンの侵入だけでなく皮膚炎の存在が重要である。食物感作の成立後は食事指導が必要となるが,加熱食品を用いるなど可能な範囲で摂取を継続的に行うことが耐性獲得に重要であり,その後は負荷試験の施行による安全性の確認による早期解除が望ましい。