特集 皮膚アレルギーの研究 アップデート~経皮感作とアレルギー~
III.フィラグリンと経皮感作
川崎洋
1
Hiroshi Kawasaki
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
pp.846-852
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201306032
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近年,皮膚角層の構成タンパク質であるフィラグリンの遺伝子変異が,アトピー性皮膚炎の主要な発症因子として報告された。その後の疫学研究,動物モデルを用いた研究から,フィラグリン変異に起因する皮膚バリア機能異常は,外来抗原の表皮内への侵入を許し,皮膚から全身への抗原感作を誘導することで,アトピー性皮膚炎を始めとするアレルギー疾患の発症につながることが示唆されている。皮膚バリアと経皮感作という点に着目し,生後早期からスキンケアに取り組むことは,アレルギー疾患の発症予防につながる可能性がある。