特集 皮膚アレルギーの研究 アップデート~経皮感作とアレルギー~
I.経皮感作のメカニズム
川村龍吉
1
Tatsuyoshi Kawamura
1
1山梨大学医学部皮膚科学講座講師
pp.826-834
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201306012
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経皮感作によって成立する宿主の抗原特異的な免疫メモリーは,外来病原体の侵入に対する生体防御に必須である一方,生体にとって不利益なアレルギー反応を起こす原因ともなる。経皮感作のメカニズムに関する研究は,これまで主にマウスのアレルギー性接触皮膚炎モデルを用いて進められてきたが,近年,外来抗原に対する皮膚の自然免疫応答の研究が飛躍的に進み,同モデルにおける自然免疫を介した皮膚樹状細胞の活性化機構や他の皮膚免疫担当細胞によるその制御・調節機構など,経皮感作のより詳細なメカニズムが明らかとなりつつある。