特集 アトピー性皮膚炎の病態に基づいた新たなアプローチ
Ⅵ.発汗機能異常と生活指導
松井佐起
1
,
室田浩之
2
,
片山一朗
3
Saki Matsui
1
,
Hiroyuki Murota
2
,
Ichiro Katayama
3
1大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学教室
2大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学教室准教授
3大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学教室教授
pp.212-217
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201602050
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汗は一般的にアトピー性皮膚炎において悪化因子と考えられている。汗はかくことが悪いのではなく,かいたまま放置しておくことが悪化につながるため,汗をかいたあとはシャワーなどにより洗い流す指導を行うことが有用である。一方,汗をかかさない指導を推奨できるようなエビデンスはなく,発汗という生理機能をヒトが持つ理由,そして汗の性能を考えれば,汗はかけたほうが良いことは容易に理解できる。ここでは汗と皮膚の関係と,アトピー性皮膚炎で見られる発汗の特徴について述べ,患者指導の実際について紹介する。