特集 小児気管支喘息ガイドライン(JPGL)の再評価と展望
IV.日本小児呼吸器学会からみたJPGLの再評価と展望
高瀬真人
1
Masato Takase
1
1日本医科大学多摩永山病院小児科部長
pp.1064-1070
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201508034
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JPGLでは,症状を完全に抑えるという高いコントロール目標が設定されているが,特に乳幼児期には実現が難しく,過剰治療につながりやすい。年少児ほどICS治療のリスクは高く,治療効果は乏しいので,乳幼児では明らかな気道感染に伴う一過性の喘息様症状は許容すべきである。急性発作治療時のβ2刺激薬の使用量が,特に乳幼児で海外の半量以下と過少である点は早急に是正すべきである。また,正確な診断と適正な治療を支えるために,肺機能検査の積極的活用をさらに進めるよう望みたい。