特集 小児気管支喘息ガイドライン(JPGL)の再評価と展望
II.JPGL2012の評価と展望
浜崎雄平
1
Yuhei Hamasaki
1
1からつ医療福祉センター小児科
pp.1048-1054
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201508018
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現行の小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2012は2011年の末に発刊され,小児科外来診療の現場では広く利用されている。抗炎症薬による長期管理,増悪・誘発因子の環境からの排除,これらを長期にわたって継続して行うための教育・啓発活動を大きな3本の柱として良好なコントロールを維持することにより,正常な呼吸機能を確保し,QOLを高め,最終的には寛解・治癒を目指すとしている。JPGLの普及度は高く,抗炎症薬を基本とした長期治療・管理法プログラムの提言を通じて小児喘息患児のQOLを向上させて重症患者と喘息死を減少させた。しかし,発刊後3年を経過しその間に新たな知見も報告され,使用上の問題点も指摘されている。乳幼児喘息への対応,吸入ステロイドの間欠療法など検討すべき課題も少なくない。