対談
日本の呼吸器病学を振り返る―これまでの学会の歩みと今後の展望
梅田 博道
1
,
相澤 久道
2
1藤田保健衛生大学
2久留米大学医学部呼吸器・神経・膠原病内科
pp.85-93
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101189
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
相澤(司会) 日本呼吸器学会は平成22年に50周年を迎えます.今から約50年前に学会を創設し育てられてきた先輩の諸先生方のご努力があって,その基盤を磐石なものにしてきました.そしてこの50年の間に日本の呼吸器病学は欧米先進国と肩を並べるまでに発展し,国際学会における発表数や一流雑誌への掲載論文数においても引けをとらないまでになりました.しかし,日本の呼吸器病学はここ数年またいくつかの新たな問題に直面しています.例えば,患者数に対して呼吸器科医の数が思ったよりも増えていないという大きな問題があります.産婦人科・小児科医の不足が問題にされていますが呼吸器科医はもっと少ない.そのために過酷な労働を強いられて,さらに人気がなくなるという悪循環に陥っています.その他にも国際交流や社会貢献などいくつかの問題をかかえています.私たちは呼吸器学会創設のときの初心に戻ってもう一度真剣にこれらの問題に取り組んでいく必要があります.
そこで本日は,日本呼吸器学会(当時は日本胸部疾患学会)創設の中心メンバーとして活躍された梅田博道先生にその当時のお話をお聞きし,今後の私たちの進む道の参考にさせていただくとともに,私たちにもっと気合いを入れていただこうと思い,こういう対談を企画いたしました.梅田先生,よろしくお願いいたします.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.