特集 喘息とCOPDのオーバーラップ症候群(ACOS)をめぐって
I.疾患概念
玉置淳
1
Jun Tamaoki
1
1東京女子医科大学内科学第一講座主任教授
pp.492-498
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201504014
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喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)は,喘息のコンポーネントとCOPDのコンポーネントを併せ持ち,持続的な気流閉塞を呈する病態であり,2009年にGibsonとSimpsonによって提唱された疾患概念である。ACOSの発症機序の詳細は不明であるが,喘息,COPD各々の単独例に比較して重症度が高く,また増悪頻度が高く予後も悪いため,早期診断と治療介入が必要である。本疾患の病態,治療に関するエビデンスはきわめて乏しいのが現状であり,今後の症例の集積と解析が望まれる。