特集 成人気管支喘息の難治化要因とその対策
II.各論 11.タバコ
鬼澤重光
1
,
玉置淳
2
Shigemitsu Onizawa
1
,
Jun Tamaoki
2
1東京女子医科大学附属青山病院
2東京女子医科大学第一内科主任教授
pp.578-584
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304102
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
成人気管支喘息患者のタバコは,臨床的に治療効果的に重要な影響を及ぼす。この総説では成人喘息においてタバコがもたらす疫学と臨床的な特徴,呼吸機能やステロイド感受性に及ぼす影響,分子生物学的な知見,患者管理の方法について述べる。現喫煙者と集団全体の喘息罹患率は,特に女性では現喫煙者で喘息が発症しやすい。また,すでに喘息のある喫煙者は難治化しやすい。そのメカニズムは,好中球,Th1/Th2細胞性炎症双方の亢進とステロイド抵抗性に集約される。管理として,禁煙は臨床症状と呼吸機能の改善をもたらし,がんや動脈硬化など他の疾患を防ぐ,最も原則的な方法である。それ以外に,ステロイド抵抗性を改善するいくつかの治療法についても簡単に触れる。