連載 アレルギー疾患の治療薬(16)
内科領域 抗コリン薬(経口・吸入)
山口正雄
1
Masao Yamaguchi
1
1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科教授
キーワード:
ムスカリン受容体M3
,
LAMA(long-acting muscarinic antagonist)
,
チオトロピウム
,
喘息治療
Keyword:
ムスカリン受容体M3
,
LAMA(long-acting muscarinic antagonist)
,
チオトロピウム
,
喘息治療
pp.1598-1602
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201410144
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神経伝達物質であるアセチルコリンは複数の受容体に結合し,それらはコリン作動性受容体と総称される。ムスカリン受容体とニコチン受容体に大別され,アセチルコリンはいずれに対しても結合できる。受容体が発現される臓器・細胞により,受容体の作用が異なるが,全身的にアセチルコリン作動薬を作用させると,作用の総和としては副交感神経刺激,消化管の運動や消化液の分泌が高まることになる。本稿で扱う抗コリン薬の呼吸器疾患への適用については,特にムスカリン受容体のうちM3サブタイプを標的として気管支拡張をもたらし,しかも吸入薬を用いることにより気道のみに作用し,他臓器にはほとんど作用しないことを指向している。