特集 最近の大気汚染とアレルギー疾患
II.環境汚染とアレルギー 1.過去の大気汚染と喘息・呼吸器疾患
佐田充
1
,
滝澤始
2
Mitsuru Sata
1
,
Hajime Takizawa
2
1杏林大学医学部呼吸器内科
2杏林大学医学部呼吸器内科 教授
pp.1484-1491
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201410030
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わが国の大気汚染は1960年代からの高度経済成長とともに社会的な問題となり,公害喘息などの呼吸器・アレルギー疾患をもたらした。1967年に公害対策基本法が成立し官民あげての改善が図られた結果,二酸化硫黄を中心とする汚染は著しく軽減したが,PM2.5などの微粒子の健康影響は持続しており,とくに最近は中国からの越境汚染が問題となっている。今後は汚染物質への感受性の個人差の分析や汚染改善のための国際的協力が期待される。