増え続けるアレルギー疾患-内科医にできる対策と治療 アレルギー疾患の予防
大気汚染とアレルギー
島 正之
1
1兵庫医科大学 公衆衛生学
キーワード:
環境曝露
,
排気ガス
,
喘息
,
大気汚染
,
粒子状物質
,
有害ガス
Keyword:
Air Pollution
,
Asthma
,
Vehicle Emissions
,
Environmental Exposure
,
Particulate Matter
pp.1103-1106
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017097365
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大気中には粒子状およびガス状のさまざまな汚染物質が存在しており,ヒトに対して短期的にも長期的にも影響を与える.粒子状物質のなかで粒径が2.5μm以下のものは微小粒子状物質(PM2.5)と呼ばれ,吸入すると細気管支や肺胞レベルまで到達しやすく,とくに健康影響が懸念される.大気中PM2.5への短期的曝露により喘息患者のピークフロー値(PEF)の低下や喘鳴症状の出現が生じ,長期的曝露ではアレルゲン感作や喘息発症リスクの上昇が認められる.光化学スモッグの原因物質であるオゾン(O3)濃度は増加傾向にあり,喘息患者の病態を悪化させる.自動車交通に由来する大気汚染は,喘息の発症や症状の増悪と関連している.
©Nankodo Co., Ltd., 2016