特集 最近の大気汚染とアレルギー疾患
II.環境汚染とアレルギー 4.大気汚染と環境保健サーベイランス調査 -調査の概要と結果について-
小野雅司
1
Masaji Ono
1
1国立環境研究所環境健康研究センター
pp.1508-1519
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201410054
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昭和61年10月に出された中央公害対策審議会報告を受け,平成8年度より「大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査」が開始され,平成24年度には全国37地域で調査が行われた。本稿では,これまでに得られた結果の概要について紹介する。 「長期的かつ予見的観点をもって,地域人口集団の健康状態と大気汚染の関係を定期的・継続的に観察し,必要に応じて所用の措置を早期に講ずるためのシステム」とされた環境保健サーベイランスシステムの目的に照らしてみると,幸いなことに,大気汚染の悪化とそれによると考えられる呼吸器系健康影響の増加は認められていないが,引き続き,観察を続ける必要がある。