特集 食物アレルギー~研究の最前線~
I.食物アレルギーの疫学:急増の実態とその要因
今井孝成
1
Takanori Imai
1
1昭和大学医学部小児科学講座講師
pp.898-903
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201406012
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食物アレルギーは近年急激な増加傾向にあると言われている。しかしそれを裏付ける大規模調査は存在しない。一方で日常臨床においてその増加傾向は肌身に感じる。その要因を推察するにいくつかの因子が想起される。例えばそもそも新規食物アレルギー病型(口腔アレルギー症候群や食物依存性運動誘発性アナフィラキシーなど)概念の出現,また花粉症などと関連する増加,社会的認知が進む中での患者の掘り起こし,そして食生活の変化に伴う増加などが考えられる。いずれにせよ多因子性の増加であることは間違いないだろう。