連載 アレルギー疾患の治療薬(13)
皮膚科領域 内服薬 シクロスポリン
小宮根真弓
1
,
大槻マミ太郎
2
Mayumi Komine
1
,
Mamitaro Ohtsuki
2
1自治医科大学皮膚科学 准教授
2自治医科大学皮膚科学 教授
キーワード:
シクロスポリン
,
乾癬
,
アトピー性皮膚炎
,
慢性蕁麻疹
,
痒疹
Keyword:
シクロスポリン
,
乾癬
,
アトピー性皮膚炎
,
慢性蕁麻疹
,
痒疹
pp.838-844
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201405088
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シクロスポリンは,カルシニューリンの作用を阻害する免疫抑制剤であり,もともと腎移植の拒絶反応を抑制する目的で使用されていた薬剤であるが,皮膚科領域では乾癬,アトピー性皮膚炎に対して保険適用がある。NF-ATの作用を阻害しIL-2やIFNγ産生を抑制することで炎症を抑制するほか,IL-17などのTh17サイトカインの抑制や,樹状細胞のT細胞への抗原提示作用を抑制する。また,表皮内への神経線維の伸長を抑制し,ニューロペプチドの産生を抑制することによってかゆみに効果があることが報告されている。保険適用はないが,慢性蕁麻疹や結節性痒疹においても,従来の治療が無効である症例に対して,本邦ガイドラインによって推奨されている。