連載 記憶に残る症例(7)
ミクリッツ病をめぐる疾患概念の変遷とIgG4関連疾患 -記憶に残る一症例-
今野昭義
1
,
伊藤永子
2
,
佐久間秀夫
3
Akiyoshi Konno
1
,
Eiko Ito
2
,
Hideo Sakuma
3
1一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院アレルギー・頭頚部センター所長
2秋田大学医学部耳鼻咽喉科
3一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院病理診断科
pp.846-853
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201405096
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
J. Mikulicz(1888)により独立疾患として報告されたMikulicz病は,Morgan,Castlemanら(1953)の報告以来,シェーグレン症候群(SS)の亜型とされ,その名は医学の表舞台から消えた。この疾患がIgG4関連疾患として再び注目されるようになったのは,最近のYamamotoら(2004)日本人の業績による。筆者らが1978年に初めて経験し,当時,臨床的にはSSと同一疾患ではあり得ないと考えさせられ,本疾患に興味を持つようになった一症例についてまとめた。