Topics 「身近な話題・世界の話題」(135)
長時間作用型血液凝固第 VIII 因子製剤
天野景裕
1
Kagehiro Amano
1
1東京医科大学 医学部医学科 臨床検査医学分野 教授
pp.96-101
発行日 2014年12月30日
Published Date 2014/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201501096
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定期補充療法が主となってきた血友病Aの止血治療において,半減期が延長した長時間作用型血液凝固第 VIII 因子製剤はその有用性が期待されている。現在,半減期を延長させるためのアプローチとして,PEGを用いた方法の製剤が3種類,Fcを用いた方法の製剤が1種類開発されている。4製剤の半減期は従来製剤の1.4~1.6倍で,どの製剤も回収率や止血効果は従来製剤と変わらず,定期補充療法により年間出血回数の低下が認められており,標準的な投与方法である週3回の定期補充療法を,5~7日に1回程度へと頻度を減らすことが可能と考えられる結果が報告されている。