特集 アナフィラキシス
VIII.輸血によるアナフィラキシー
岡崎仁
1
,
阿部高秋
2
Hitoshi Okazaki
1
,
Takaaki Abe
2
1東京大学医学部附属病院輸血部教授
2日本赤十字社血液事業本部中央血液研究所
pp.1176-1184
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201308076
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輸血行為に伴うアナフィラキシーは,日本では年間400件ほど発生する。多くは輸血開始から30分以内に発症し,重篤なものでは血中トリプターゼ濃度が上昇している場合がある。輸血用血液製剤は雑多な混合物であり,様々な要因,たとえば血漿タンパク質を欠損した受血者中の抗体や血中に存在するアレルゲンなど,によって発症すると考えられている。しかし,原因物質が特定されることはごくまれであり,ほとんどの症例は原因不明のままである。