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目的:吸入ステロイド薬と長時間作用型β2受容体刺激薬の配合剤である,フルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロールフマル酸塩水和物配合剤(fluticasone propionate/formoterol fumarate combination:FFC)(フルティフォーム® エアゾール)を日本人健康成人男性被験者に反復投与した際のフルチカゾン及びホルモテロールの薬物動態及び安全性を検討した。 対象及び方法:日本人健康成人男性被験者を対象とし,単一施設非盲検非対照試験の治験デザインにて,被験者各12例にFFCを100/10μg(50/5 μg製剤を1回2吸入)又は500/20μg(125/5μg製剤を1回4吸入)を1日2回,7日間反復投与した。初回投与後及び投与7日目の血漿中薬物濃度を液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法にて経時的に測定すると共に,2~6日目の1回目投与直前の血漿中薬物濃度を測定した。 結果:FFCを7日間反復投与した時,初回投与後及び投与7日目のフルチカゾン及びホルモテロールのtmaxはいずれも5~7.5分であり,各薬剤が肺より速やかに吸収されることが示唆された。フルチカゾン及びホルモテロールのCmax及びAUCτには用量依存的な増加が認められた。FFC 100/10μg又は500/20μgを投与したとき,投与7日目のフルチカゾンのCmax,ssはそれぞれ36.6及び152 pg/mL,AUCτ,ssはそれぞれ212及び1,120 pg・h/mLであった。一方,ホルモテロールのCmax,ssはそれぞれ12.6及び31.7 pg/mL,AUCτ,ssはそれぞれ44.0及び106 pg・h/mLであった。トラフ血漿中濃度(投与直前の最低血漿中濃度)の推移より投与7日目には,いずれの薬剤も定常状態に達していると考えられた。また,副作用が2例4件発現したがいずれも軽度であり,FFCの忍容性は良好であった。 結論:日本人健康成人男性被験者におけるFFC 100/10μg及び500/20μgの反復吸入投与時の薬物動態が明らかにされ,フルチカゾン及びホルモテロール共に,反復投与開始後,速やかに定常状態に到達することが確認できた。