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目的:吸入ステロイド薬であるフルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)と長時間作用性β2受容体刺激薬であるホルモテロールフマル酸塩水和物(FM)の配合剤として新規に開発された薬剤(fluticasone propionate/formoterol fumarate combination:FFC)(フルティフォーム®エアゾール)の配合意義を確認することを目的として,FFCと既存のFP製剤との有効性及び安全性を比較した。 対象及び方法:低用量の吸入ステロイド薬投与ではコントロールが不十分な日本人の成人気管支喘息患者を対象として,多施設共同無作為化単盲検実薬対照比較試験によりFFC 100/10μg(FP/FM用量),FP製剤100μgのいずれかを1日2回,8週間投与した。 結果:455例(FFC群228例,FP群227例)の被験者に治験薬が投与され,そのうち435例が試験を完了した。主要評価項目である朝のピークフロー値は,FFC群で投与開始翌日から顕著に増加し,FFC群とFP群の変化量の群間差は20.63 L/minであり,有意な改善が認められた(95%信頼区間15.47-25.80,p<0.0001)。副次評価項目であるその他の呼吸機能(夜のピークフロー値,1秒率,努力性肺活量)及び喘息症状(喘息症状スコア,無症状日数の割合,短時間作用性β2受容体刺激薬の未使用日数の割合,短時間作用性β2受容体刺激薬の1日あたりの平均吸入回数)は,8週投与後においてFFC群とFP群を比較したとき,FFC群で有意な改善を認めた(p<0.05)。また,安全性プロファイルに関しては両群で全般的に類似していた。 結論:日本人の成人気管支喘息患者に対するFFCの有効性及び安全性が示され,FPとFMの配合意義が確認された。 (JapicCTI登録番号:101340)