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目的:日本人の成人気管支喘息患者に対して,吸入ステロイド薬と長時間作用性β2受容体刺激薬の新規の配合剤であるフルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロールフマル酸塩水和物配合剤(fluticasone propionate/formoterol fumarate combination:FFC)(フルティフォーム®エアゾール)の長期投与を行い,安全性及び有効性を検討した。 対象及び方法:吸入ステロイド薬を継続使用しており,1秒量が予測値の40%以上,かつ16歳以上である日本人の気管支喘息患者を対象とした多施設共同非盲検非対照試験にて,被験者にFFC 100/10μg,250/10μg,500/20μgのいずれかを1日2回,52週間投与した。なお,FFC投与開始後は,喘息コントロール状態に応じてFFCの増量又は減量を可能とした。 結果:FFCは被験者244例に投与され,そのうち214例が52週間の投与を完了した。副作用の発現率は32.4%(79/244例)で,最も多く発現した副作用は発声障害(8.2%)であった。重篤な副作用として,FFC 250/10μg投与時で喘息増悪が1例,500/20μg投与時で喘息増悪が1例,肺炎が2例に認められた。FFC投与最終2週間における投与前値からの朝のピークフロー値の変化量は19.47 L/minであり,投与前と比較して有意に改善した(p<0.0001)。FFC投与前と比較して喘息症状(喘息症状スコア,無症状日数の割合等)の改善に対する効果は,52週間投与を通して維持された。 結論:日本人の成人気管支喘息における長期管理薬としてFFCは有用であると考えられた。 (JapicCTI登録番号:101341)