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目的:フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロール配合剤(FF/VI)およびフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)は,気管支喘息治療薬として開発された1日1回投与の新規吸入剤である。本試験では日本人成人気管支喘息患者に対するFF/VIおよびFFの長期投与時の安全性および忍容性に加え有効性についても検討した。 方法:対象は喘息治療薬を定期使用している18歳以上の喘息患者とし,既存の喘息治療薬に応じて,FF/VI 100/25μg,200/25μgまたはFF 100μgを1回1吸入,1日1回夜投与し,52週間投与した。 結果:解析対象患者は243例(FF/VI 100/25μg群:60例,200/25μg群:93例,FF 100μg群:90例)で,試験完了例は220例であった。FF/VI 100/25μg,200/25μgおよびFF 100μgの52週間投与時の忍容性は良好であり,長期投与により有害事象が増加する傾向は認められなかった。副作用の多くは,既存の吸入剤,吸入ステロイド薬またはβ2刺激薬の使用時にみられる事象であった。一方,有効性に関しては,FF/VIまたはFFを投与することにより,朝および夜のピークフロー値(PEF)ともにいずれの投与群においても有意な改善が認められ,52週間にわたって維持された。また,喘息症状関連項目(喘息症状スコア,24時間無症状日数の割合および24時間救済薬未使用日数の割合)でも有意ではないが数値的に改善が認められた。 結論:日本人成人気管支喘息患者に対するFF/VI 100/25μg,200/25μgまたはFF 100μgの1回1吸入,1日1回夜投与の長期投与時の忍容性は良好であった。また,PEFおよび喘息症状にも改善がみられ,52週間を通して維持された。 Clinical Trials.gov:NCT01244984