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目的:日本人の成人気管支喘息患者に対して,ホルモテロールフマル酸塩水和物(ホルモテロール)を加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)で投与した際の臨床推奨用量を検討した。 方法:吸入ステロイド薬を継続使用しており,1秒量(FEV1)の予測値に対する割合が60%以上である16歳以上の気管支喘息患者を対象とした。これらの被験者に,多施設共同無作為化プラセボ対照並行群間二重盲検比較試験のデザインにて,ホルモテロール5μg,10μg,20μg又はプラセボのいずれかを1日2回,4週間投与した。 結果:458例(5μg群114例,10μg群118例,20μg群117例,プラセボ群109例)に治験薬が投与され,そのうち405例が試験を完了した。主要評価項目であるFEV1投与前値は,すべてのホルモテロール投与群で,プラセボ群と比較して有意な改善を示した(5μg群 p=0.0142,10μg群 p=0.0466及び20μg群 p=0.0007)。また,副次評価項目である朝のピークフロー(mPEF)値及びFEV1投与2時間値は,すべてのホルモテロール投与群でプラセボ群に対して有意な改善を示した(5μg群,10μg群及び20μg群は,それぞれmPEF値 p=0.0244,p=0.0024及びp<0.0001,FEV1投与2時間値 p=0.0002,p<0.0001及びp<0.0001)。夜のピークフロー(ePEF)値においては,プラセボ群と比較して,ホルモテロール5μg群では有意差を認めなかったが,10μg群及び20μg群では有意差を認めた(5μg群,10μg群及び20μg群は,それぞれePEF値 p=0.0586,p=0.0002及びp<0.0001)。さらに,投与4週後の発作治療薬未使用日数の割合において,ホルモテロール20μg群はプラセボ群に対して有意な改善を示した(p=0.0334)。なお,すべてのホルモテロール投与群で忍容性は良好であった。 結論:日本人の成人気管支喘息患者に対するホルモテロール(pMDI製剤)の通常用量は10μg 1日2回で,必要に応じて20μg1日2回投与が可能であることが示唆された。 (JapicCTI登録番号:080670)