特集1 肥満とアレルギー
I.基 礎 1.脂肪組織と炎症
蜂屋瑠見
1
,
菅波孝祥
2
,
小川佳宏
3
Rumi Hachiya
1
,
Takayoshi Suganami
2
,
Yoshihiro Ogawa
3
1東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科分子内分泌代謝学分野/慶應義塾大学医学部小児科学教室
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科臓器代謝ネットワーク講座 教授
3東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科分子内分泌代謝学分野 教授
pp.1566-1573
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201311014
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近年のアディポサイトカイン(アディポカイン)研究の著しい進歩により,脂肪組織は生体内で最大の内分泌器官として多彩な生命現象に関与することが明らかになってきた。動脈硬化性疾患の病態基盤として,脂肪組織の慢性炎症の関与が指摘されている。肥満の脂肪組織においては様々な免疫担当細胞の浸潤や炎症性サイトカインの過剰産生が観察され,その病態生理的意義が注目されている。本稿では,脂肪組織と炎症について,マクロファージおよび新たなサイトカインIL-33について触れながら,最新の知見を概説する。