特集1 肥満とアレルギー
序 ~肥満とアレルギー・2頭の巨象を撫でる前に~
望月博之
1
Hiroyuki Mochizuki
1
1東海大学医学部専門診療学系小児科学教授
pp.1561-1564
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201311009
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近年,世界的に肥満の増加がみられている。アレルギー疾患患者も増加傾向にあるためか,アレルギー疾患と肥満との関連を示す報告も相次いでいる。脂肪細胞が炎症の発現・悪化に関与することは注目されるが,一方で,肥満に関連する数々の因子がアレルギー・免疫系だけでなく,内分泌,代謝系にも広く影響し,感作・寛容の変化を引き起こすことも推測されている。本稿ではこのような肥満とアレルギーとの関連を少しでも明確にするために,疫学調査や炎症の機序の研究,さらには遺伝子解析など,これまでの多方面に及ぶ検討の総括を試みた。