代謝経路と臨床検査・11
1炭素基の代謝
松村 義寛
1
1東女医大生化学
pp.920-921
発行日 1969年11月15日
Published Date 1969/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906565
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1月号ではS-アデノシルメチオニンのメチル基が,グアニド酢酸に転移することでクレアチンが生ずること,7月号ではテトラヒドロ葉酸がホルミル基の供与体となって逐次プリン体の合成が行なわれる経路を示した.このようにメチル基,ホルミル基など炭素1個を含む基が,独自の行動をとることに注目して画いたのが図2である.
主役となっているのがテトラヒドロ葉酸(THFA)でt,5,10位のN原子にメチル基(-CH3)メチレン基(-CH2-),メテン基(=GH-)ホルミル基(-CHO),ホルミルイミノ基(-CH=NH2)が担われ,THFAにそれらの基が結合したままの状態で相互間の転変が行なわれるとともに,他方それらの基はしかるべき受容体に渡されることで所要の物質が合成されているのである.
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