特集 小児気管支喘息の難治化要因とその対策
IV.思春期に至った喘息の特徴
小田嶋博
1
Hiroshi Odajima
1
1国立病院機構福岡病院副院長
pp.1295-1304
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201309045
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思春期の喘息の問題は,〈1〉 従来いわれてきたような社会的背景因子の関与はアドヒアランスの問題を含めて重要である。〈2〉 一方で,喘息自体が,小児期からの長期罹患によって抱える問題,例えば,喘息重症度の自己判断力の低下,喘息は治ったと思いつつも運動誘発喘息の持続している例が多い,更に 〈3〉 心理的因子が喘息コントロールに大きく影響している問題などについても注意するべきである。 これらの問題が複雑に関与しこの時期の喘息患者のコントロールに影響する。喘息死は減少したものの,思春期は危険な時期であることに変わりない。また,たとえ喘息を持ち越したとしても成人期を充実した時期とするか否かに関与していると考えられる。