特集 小児気管支喘息の難治化要因とその対策
III.気管支喘息の治癒の概念
井上壽茂
1
Toshishige Inoue
1
1住友病院院長補佐/小児科診療主任部長
pp.1288-1294
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201309038
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小児気管支喘息の長期管理では,症状をコントロールし,QOLの向上を図りながら,最終的には薬物治療から離脱し可能な限り呼吸機能や気道過敏性の正常化した状態,すなわち完全寛解を目指すことが治療目標となっている。現状では慢性の炎症性気道疾患である喘息において治癒を確認することは困難で,常に再燃の危険性を念頭に置く必要がある。今後病態解明が更に進み,気道炎症の評価が簡便に可能となることにより,治癒の定義が確立し,治癒を目指した治療が可能となることを期待したい。