特集 気管支喘息の研究 アップデート
IV.気管支喘息とアレルギー性鼻炎
大久保公裕
1
Kimihiro Okubo
1
1日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学分野教授
pp.985-991
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201307041
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アレルギー性鼻炎と喘息の関わりは多くの類似性が指摘されている。しかし現状では抗ヒスタミン薬が喘息の適応をなくし,局所のステロイド療法が主流になった喘息領域にはアレルギー性鼻炎とアレルギー疾患の中で距離をおいた感があった。しかし臓器類似性,疾患類似性から病態を形成するメディエーターとしてロイコトリエンなども脚光を浴び始めた。現在,耳鼻咽喉科領域でロイコトリエン受容体拮抗薬のモンテルカストとプランルカストがアレルギー性鼻炎に適応症を取得している。アレルギー性鼻炎ではヒスタミンと同様にロイコトリエンも重要なメディエーターであることが確認され,その病態の中核をなすことがone airway, one diseaseとしても注目を集めている。この稿ではアレルギー性鼻炎と気管支喘息の種々の関連性を明らかにしたい。