特集 小児気管支喘息の難治化要因とその対策
II.難治化に関わる要因 3.心理的要因
大矢幸弘
1
Yukihiro Ohya
1
1国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科医長
pp.1280-1287
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201309030
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薬物療法の進歩に伴い,難治化した小児気管支喘息患者や心因性喘息と診断される症例は減少しているが,学童期以降ではVocal Cord Dysfunctionなどの喘鳴と呼吸困難を伴う発作性の上気道閉塞疾患が喘息と誤診されているケースが少なくない。こうした鑑別を行った上で,心理的要因が関与しているケースを治療する。暗示や不安がコリン作動性神経を介してレスポンデント条件付けされたケースは脱感作療法によって治療が可能である。また,小児では親の注目を獲得するために喘息発作がオペラント条件付けされることがあるが,行動療法によって治療可能である。