特集 小児気管支喘息の難治化要因とその対策
II.難治化に関わる要因 1.ウイルス性呼吸器感染症
山田裕美
1
,
吉原重美
2
Yumi Yamada
1
,
Shigemi Yoshihara
2
1獨協医科大学小児科/やまだ胃腸内科小児科クリニック
2獨協医科大学小児科 准教授
pp.1268-1273
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201309018
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気道ウイルス感染は,気管支喘息発作の重要な増悪・難治化因子の1つと考えられている。特にライノウイルスは小児喘息においても発作時の検出頻度が高く,単なる“かぜウイルス”ではなく喘息発作増悪・難治化に関与する主要因と考えられる。近年,気道ウイルス感染による増悪・難治化の病態には,感染自体だけでなく,宿主(生体)側の気道上皮細胞の脆弱性や気道ウイルスに対する免疫応答能の偏り,そして上皮由来サイトカインや感染受容体の発現亢進が大きく寄与することが明らかにされている。