特集 気管支喘息の研究 アップデート
II.気管支喘息に関与する炎症細胞
山下直美
1
Naomi Yamashita
1
1武蔵野大学薬学部薬学科薬物療法学教授
pp.965-971
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201307021
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気管支喘息の病態の基本は炎症である。好酸球,リンパ球,好塩基球,好中球およびマクロファージという炎症細胞浸潤と気道上皮細胞,平滑筋細胞という気道構成細胞が獲得免疫系と自然免疫系の両者に関与し,相互作用している。その中で,炎症を惹起する最初のトリガーになる主たる細胞は何かという命題は,種々の側面から追求が重ねられている。現在,アレルゲン→気道上皮細胞(IL-33,IL-25産生)→自然リンパ球(IL-13,IL-5産生)→Th2細胞活性化――IgE抗体産生,獲得免疫誘導という新たな経路が注目されている。